PBタイプの全体修正リペア
- FUGA GUITARS
- 3 日前
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更新日:21 時間前

埼玉の方からのご依頼でこちらのPBタイプのベースのあれこれを修正して気分良く弾けるようにして欲しいとのことで作業させていただきました。
こちらもオーナー様のご厚意で広報に使用させていただけるということなのでご紹介させていただきます。
この楽器自体オーナー様がすごくこだわってオーダーされたもので、使用されている材も良質で木工も精度良く加工されていて素晴らしい楽器でした。
組み込み作業に関してはリペアショップにご依頼されていて、直したいポイントがいろいろとありメインで使われている楽器に寄せてオーナー様が気持ち良く使えるようにしていきます。
まずはお預かり時の写真を見ていただこうと思います!

まずはこちらのフレットサイドのエッジ処理の追加工。
ステンレスフレットです!
フレットサイドのエッジは軽く面取りされていますが、こちらをボールエンド形状に丸めて欲しいとのこと。

次にリテーナーを今の位置から12㎜ナット側へ動かして欲しいとのこと。
こちらはメインの楽器に合わせたいそうです。
12㎜と正確な数値指定を出してくださっていてオーナー様のこだわりが伺えます!

次にナット製作交換。
今の状態から弦落ちしない程度に端に寄せて、弦間ピッチで取って欲しいとのこと。
こちらもメインの楽器に慣れていらっしゃるので、そちらに合わせていきます!

次にブリッジの位置をボディエンドからブリッジエンドが27㎜の位置に動かして欲しいとのこと。
こちらもメインの楽器に合わせてだと思います。
オクターブ調整の可動域内ですのでご指定の場所に動かしていきます。

最後にPG製作。お預かり時には茶べっ甲のPGが取り付けられています。
今回は赤べっ甲のPGで製作させていただきます。

現状はトラスロッドのアジャスト部も加工されてはいるのですが、六角レンチが差し込みにくく面取りをして欲しいとのこと。
あと写真ではすごくわかりずらいのですが、ジョイントまわりに僅かな隙間がありオーナー様がとても気になるのでそこもしっかり精度を出して加工させていただきます。
では、続いて加工後の写真をご紹介します!

まずはフレットサイドのボールエンド加工。
この写真も少しわかりずらいですが、出来る限り丸めました。
タングが指板サイドまできているフェンダースタイルですので綺麗な球体にするよりほんの少し面を残した方が綺麗だと思ったので極力違和感のないようなバランスでしてみました。

上から見るとこんな感じです。
ステンレスフレットですので削るのに普段より少し時間がかかりましたが綺麗なシルエットで丸めれたと思います。


弦落ちしない程度に4弦と1弦を極力端に寄せて弦間ピッチで切りました。
ナットは開放弦の鳴り方やローフレットでの演奏性等に大きく関わるところですので、リペアマンの考え方や技術に大きく違いがあるので非常に深いですね!
私も楽器やオーナー様の好みに合わせて切り分けられるようにずっと研究です。

元の取付穴はメイプルでぴったり合う棒を作って埋めました。
ナットを新たに作って弦のコースも変わったのでそれに合わせて前後だけでなく左右の位置も修正して取り付けました。

続いて、ブリッジ位置変更。
元のビス穴はリテーナー同様メイプル丸棒で埋めます。

しっかりとご指定の位置に取り付けました。
お預かり時はブリッジ自体がセンターラインに対して傾いて取り付けられていたので修正しセンターの精度も出し直しました。
前の二個の埋めたところは出てしまいますが今回はタッチアップ無しでさせていただきました。
位置が変わったのでオクターブ調整もし直しております。
そして赤べっ甲でのピックガード製作です。
こちらもオーナー様のこだわりが詰まっております。

外周の面取りは白黒のラインが良く見えるように通常よりも鋭角にとのご指定。
その角度に合わせてアジャスト部も面取りしました。
これで六角レンチも差しやすくなったと思います。
気にされていたポケット周りの精度もバッチリ出しております。
ピックガードはリプレイスメントパーツでもビス穴や外周が合わないことがほとんどなので、もし変えたい場合は新しく製作することをお勧めいたします。

見た目の印象もグッと変わりましたね!
最後にお持ち込みいただいた弦で弦交換し、ご指定の弦高でセットアップいたしました。
弦巻きの長さやセットアップの数値に関して正確にご指定いただき、本当にオーナー様のこだわりが伺えてとてもやりがいがございました。
非常に知識も豊富でご理解が深くとても気持ち良く作業をさせていただきました。
この度はご依頼ありがとうございました。
今回はトータル的にいろいろな修正リペアやPG製作をさせていただきました!
いろいろな弾き手の方のこだわりをヒアリングさせていただき私も勉強になります。
当然ですが楽器に関しては弾く人の好みで100人いれば100通りの正解があると思います。
皆様のこだわりを聞かせていただき、オーダー品でなくてもそれぞれのこだわりを詰め込んだ楽器にするお手伝いが出来ると思いますので、ご興味のある方は是非ご相談ください。


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